6月22日のNHKあさイチで放送された子供の発達障害に効果がある「ABAプログラム」(ほめるトレーニング)の具体的な取り組み方、年齢別のやり方や子供の発達障害の症状などをご紹介します。
ゲストは以前番組で発達障害と告白した栗原類さんと専門家の平岩幹男先生です。
Contents
発達障害とは?
そもそも発達障害とは
・ASD(自閉症スペクトラム障害)
・ADHD(注意欠如・多動性障害)
・ADD(注意欠如障害)
・LD(学習障害)
の総称です。
栗原類さんは幼少期ADDと診断を受けました。
子供の発達障害の症状とは?
では具体的に子供の発達障害にはどんな症状があるかというと
・視線が合わない
・人に興味を持たない
・言葉の発達が遅い
・こだわりが強い
などです。
今回番組のVTRに登場したはー君(2歳)も
・意味のある言葉が一語も出ていない
・絵本などを読み聞かせても見てくれない
・目が合わない
といった点でご両親が心配し、今回の「ABAプログラム」を受けることとなりました。
近年発達障害にとても有効だと言われている「ABAプログラム」ですが、どんなことをするのか?
どのように効果があるのか?
具体的にご紹介していきたいと思います!
出来ることが増える「ABAプログラム」=ほめるトレーニングとは?
このABAプログラムは「応用行動分析」に基づいたトレーニングで、実際にアメリカで成果があったと最近日本でも取り入れられているトレーニングプログラムです。
ABAの基本は
行動+ほめる=行動が増える(できることが増える)
ということです。
トレーニングを行うポイントは3つです。
ポイント1 すぐにほめる
子供が何かできたときに秒速でほめてあげます。
トレーニング中も、こちらが出した問題に対し正解であればすぐにほめてあげます。
そうすることで子供は何に対してほめられているのか理解することができ、学習することが楽しく、正解するといいことがあると感じることができるんです。
ポイント2 できないことは手助けする
もしも出来ないことがあったら指さしなどで手助けし、手助けなしでも正解できるまで繰り返します。
できないままでほめることは決してせず、手助けをしてでもできるようになるまでやることが大切です。
ポイント3 子供に主導権を渡さない
最後のポイントは、特に何かをしなくてはいけないのに子供が嫌がるときは主導権を渡さないということです。
ここでも出来たらほめるようにします。
なぜ主導権を渡してはいけないかと言うと、例えば保育園や幼稚園、小学校などでチャイムが鳴っても席に着かない、集まってと言われても集まらないということにつながってしまうからです。
ABAプログラムの具体的なトレーニング
この「ほめるトレーニング」このような順番で行っていきます。
2歳ごろ
・物の名前がわかる
・動作をまねする
・音声をまねする
・単語がいえる
・お話ができる
これらができるようになったら・・
5歳ごろ(幼稚園ごろ)
・日常生活の動作
・出来事を伝える
・友達と遊ぶ
これらができるようになったら・・
小学生ごろ
・買い物スキル
・学校生活
というように段階を踏んで、できることを少しずつ増やしていきます。
例えばどのように行うかと言うと・・
2歳ごろのトレーニング
・絵カードを使って物の名前を覚える
・言葉を発することができるようになるために、笛を使って口の形を練習する
5歳ごろのトレーニング
・前や後ろ、横などの概念を学ぶために机の上にお道具箱などを置き、その上・下・横に物を置かせる。
これは幼稚園や小学校で「机の上に置いてください」などのお片付けの指示を理解できるようにするためのトレーニング。
・お母さんが写っている写真を使って、誰がどこで何をしているかを理解する学習をする。
誰が写っている?ここはどこ?何をしている?と順に聞いていく。
これは幼稚園でその日あった出来事を家でお話しできるようになるトレーニング。
・かくれんぼやおままごとを一緒にする。
幼稚園で友達と遊べるように遊びのルールを学ぶためのトレーニング。
小学生~のトレーニング
・おつかいなどをお願いする。
・日々の家事のお手伝いをお願いする。
これらは今後自分で生きていくためにも必要なスキルですし、自然とやってもらえるとこちらもほめることができます。
毎日少しずつでも長く続けることが大切!
このほめるトレーニングは毎日少しずつでも続けていくことがとても大切です。
時間の目安は1日30分ですが、30分続けて行う必要はなく、無理なようであれば1分や2分のトレーニングを何回も繰り返して1日の中で出来るようにする、というようでも大丈夫です。
トレーニングを実際に年々行い、その結果お子さんが劇的にできることが増えたという番組のVTRに登場したお母さんも、やはり時間の確保とモチベーションを保つことがとても大変だったと言っていました。
ですが、やはりつづけた先にある、わが子が色々なことが出来るようになってくるということがとても励みになるそうです。
今回番組に登場した栗原類さんのお母さんも
「人生は徒競走ではなく、長いマラソンなんだから、スタートダッシュで息切れするよりは長く続けることが重要」
とよく言っているそうです。
番組のVTRで紹介された3人の男の子たちは全員このトレーニングで出来ることが増えていました。
ほめるということは子供にとっても、やっている親にとってもとてもポジティブで気持ちのいいことですよね。
それで出来ることが増えたり、話すことが出来るようになったり、ほかの子供たちと同じように学校に通えるようになったら本当に素晴らしいことだと思います。
是非参考にしていただけたら幸いです。